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日本最高峰の富士山で気象観測すれば台風の予報に役立つとしてかなり早い時期から富士山での気象観測が検討された。

明治13年(1880年)からときおり富士山での気象観測が行われていたが、昭和7年(1932年)より富士山臨時測候所が開設され、通年測候が行われた。観測結果は超短波無線機で気象庁に送られた。昭和11年(1936年)に日本最高峰の剣ヶ峯に測候所を移転して、常設の測候所となった。これは当時世界最高所の常設気象観測所である。昭和39年(1964年)9月10日にレーダーが設置された。この富士山レーダードームは富士山頂のシンボルとして登山者にも親しまれた。ちなみに建設は「夏季の短期間にしか行えない」「火口から吹き上がる風を読むのが難しい」などの理由から困難を極め、NHKのテレビ番組「プロジェクトX」でも紹介されたほか、気象庁職員在職時代に富士山レーダーの建設の建設責任者として深くかかわった小説家・新田次郎の小説「富士山頂」でも、建設の経緯が詳しく描かれている。

その後気象衛星の発達により山頂からのレーダー観測は必要性を失い、レーダー観測は1999年11月1日に廃止、測候所は2004年9月30日に無人化された(実際は悪天候のため10月1日に無人化)。現在は無人で気温・湿度・気圧の観測が続けられている。廃止された気象レーダードームは、富士吉田市の富士山レーダードーム館(道の駅富士吉田内)に展示されている。

なお、日本一高い山である富士山は、日本一強い風が観測された場所でもある。昭和41年(1966年)9月25日には台風26号がすぐ西を通過し、測候所で南西の風91.0m/sを観測した。これは最大瞬間風速の日本記録である。

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